脳活ビート

脳卒中で弱った脳を活かすための最新の音響刺激テクニック

まとまりのなくなった脳のはたらきを整えるサウンド

デルタレゾナンス(←初心者はこちらから)のつづきです。

じぶんの経験として、脳卒中をやると たとえようのない疲れや、気が散って集中できない、あたまの作業メモリ不足で運転しながらの会話ができない、これをやれば生活が楽になるとわかっているのにいつまで経っても手をつける気が起きない、など さほど深刻に見えないけれど本人にとってはかなりつらい脳力の低下がおきます。

運動機能になんの麻痺もなく回復できた軽症者であってもその3分の2くらいがこのような問題を抱えるといわれています。

これを正すためのなんらかの脳刺激法が求められていますが、成果が報告されているものは脳に直接電極を挿し込むなど侵襲度が高かったり、磁気刺激法のように侵襲度は低くとも数十万円もかかるわりにごく短時間(1日30分x2週間)しか利用できないものだったりします。


最新の音楽療法の1つに「バイノウラルビート」があります。バイノウラルビートは左右の耳に少し周波数のことなる音を聴かせたときに、その周波数の差分に相当するビート音が「意識の中に自然発生する」生理反応を指します。そのビート周波数と脳の活動が同調するエントレインメント効果が確認されています。


わたしは2009年、脳内出血をきっかけにバイノウラルビートをつかった「デルタレゾナンス」をつくりました。

しかし当時はバイノウラルビートの人への応用について基礎的な研究がほとんどありませんでした。


バイノウラルビートについてこの10年間でおおくの研究がなされ、脳の左右を区別して刺激する方法や認知機能を向上させる数々のエビデンスがあきらかになりました。

さいきんこれらの研究成果を活かすためのアイデアを思いつき、以下に示すサウンドファイルを作りました。

ちなみにわたしはニュースサイトの更新のために毎日英語論文を50件以上チェックしていますが このあたらしいサウンドを聴くようになったとたん、論文を理解するスピードがとても速くなりました。あまりに調子が良いので紹介することにしました。

(2019年12月)

新エビデンス(参考文献)

まずはバイノウラルビートに関してわたしが最近(2010~)注目した研究成果について示します。

資料1:左右の脳を区別できるバイノウラルビート周波数


Ross, B., Miyazaki, T., Thompson, J., Jamali, S., & Fujioka, T. (2014). Human cortical responses to slow and fast binaural beats reveal multiple mechanisms of binaural hearing. Journal of Neurophysiology, 112(8), 1871–1884. http://doi.org/10.1152/jn.00224.2014

ひとが認識可能なバイノウラルビートのほぼ全周波数3-60ヘルツへの反応を左右脳半球べつにMEG(脳磁図)で調べた研究。

下図のPhase Coherenceがバイノウラルビート刺激に対する脳の反応のおおきさをしめす。

主に左脳だけが反応する周波数は 6ヘルツ、右脳だけが反応する周波数は15ヘルツ

左右脳が同程度に反応する周波数は4ヘルツ40ヘルツにあり、とくに40ヘルツの反応が強いことが読み取れる。

資料2:左脳を刺激する6Hzと正中シータ活動


Jirakittayakorn, N., & Wongsawat, Y. (2017). Brain Responses to a 6-Hz Binaural Beat : Effects on General Theta Rhythm and Frontal Midline Theta Activity. Frontiers in Neuroscience, 11(June), 1–11. http://doi.org/10.3389/fnins.2017.00365

6ヘルツのバイノウラルビートを与えたとき、およそ10分間で前頭葉と頭頂葉の正中にシータ活動が高まり、とくに左脳の活動が優勢だった。

資料3:15Hzバイノウラルビートで作業メモリ向上


Beauchene, C., Abaid, N., Moran, R., Diana, R. A., & Leonessa, A. (2016). The Effect of Binaural Beats on Visuospatial Working Memory and Cortical Connectivity. Plos One, 11(11), e0166630. http://doi.org/10.1371/journal.pone.0166630

視空間作業メモリテストの結果は、15ヘルツのバイノウラルビートを与えたときに、5ヘルツや10ヘルツのバイノウラルビートや クラシック音楽、ピュアトーン、無音にくらべ高い精度を示した。

資料4:バイノウラルビートの効果的な与え方と時間


Seifi Ala, T., Ahmadi-Pajouh, M. A., & Nasrabadi, A. M. (2018). Cumulative effects of theta binaural beats on brain power and functional connectivity. Biomedical Signal Processing and Control, 42, 242–252. http://doi.org/10.1016/j.bspc.2018.01.022

脳波が同調するエントレインメント効果が現れるまでの時間を検証。

慣れを防ぐためにインターバルを設けて3分間ごとのバイノウラルビート(7ヘルツ)を与えたときの脳波の変化分が下図。

6分以降、9分間聴くと脳のシータ波への同調が観測できた。

資料5:左脳を刺激するバイノウラルビート7Hzと15Hzの使い分け


Lavallee, C. F., Koren, S. a, & Persinger, M. a. (2011). A quantitative electroencephalographic study of meditation and binaural beat entrainment. Journal of Alternative and Complementary Medicine (New York, N.Y.), 17(4), 351–355. http://doi.org/10.1089/acm.2009.0691

瞑想の熟練者と初心者に7ヘルツと15ヘルツのバイノウラルビートを聴かせたときの脳の反応をしらべた。

初心者は15ヘルツに反応し、ガンマパワーが強くなった。

熟練者は7ヘルツに反応し、デルタパワーが左脳の側頭葉で強くなった。

資料6:3Hzバイノウラルビートと睡眠ステージ


Jirakittayakorn, N., & Wongsawat, Y. (2018). A Novel Insight of Effects of a 3-Hz Binaural Beat on Sleep Stages During Sleep, Front. Hum. Neurosci. 12(September), 1–15. http://doi.org/10.3389/fnhum.2018.00387

3ヘルツのバイノウラルビートを睡眠ステージN2で与えたところ、N2ステージは通常よりも短く終了して 速やかにステージN3に移行しその状態が長く持続した。

資料7:バイノウラルビートが振幅変調より優れている証拠


Derner, M., Chaieb, L., Surges, R., Staresina, B., Fell, J., Klinik, N., & Kingdom, U. (2018). Modulation of item and source memory by auditory beat stimulation: a pilot study with intracranial EEG. Frontiers in Human Neuroscience, http://doi.org/10.3389/fnhum.2018.00500

5ヘルツのバイノウラルビートとモノウラルビート(ただの振幅変調)とで記憶タスクの成績をくらべたところ、バイノウラルビートを聴いていたグループが優れており、モノウラルビートでは成績が下がってしまった。

資料8:ガンマバイノウラルビートで注意 認知力の向上


Ross, B., & Lopez, M. D. (2020). 40-Hz Binaural beats enhance training to mitigate the attentional blink. Scientific Reports, 1–12. http://doi.org/10.1038/s41598-020-63980-y

「注意のまばたき」正答率が16Hzにくらべ40Hzでおおきく改善した。


Patrudu, L. G. B., Geethanjali, M. P., Sandeep, A. A., & Raghu, Y. (2019). Effect of Gamma Binaural Beats on Cognitive Functions in Healthy Subjects, Sch J App Med Sci, 6691, 2250–2255. http://doi.org/10.21276/sjams.2019.7.6.44

40Hzバイノウラルビート20分間で認知タスクの反応時間が短縮。



Shekar, L., Suryavanshi, C., & Nayak, K. (2018). Effect of alpha and gamma binaural beats on reaction time and short-term memory. National Journal of Physiology, Pharmacy and Pharmacology, 8(6), 1. http://doi.org/10.5455/njppp.2018.8.1246506022018

40Hzバイノウラルビートで聴覚 視覚反応時間が速くなった。



Hommel, B., Sellaro, R., Fischer, R., Borg, S., & Colzato, L. S. (2016). High-Frequency Binaural Beats Increase Cognitive Flexibility: Evidence from Dual-Task Crosstalk. Frontiers in Psychology, 7(August), 1–7. http://doi.org/10.3389/fpsyg.2016.01287

40Hzバイノウラルビートを聴かせていると二重課題の成績が向上した。



Reedijk, S. a., Bolders, A., Colzato, L. S., & Hommel, B. (2015). Eliminating the Attentional Blink through Binaural Beats: A Case for Tailored Cognitive Enhancement. Frontiers in Psychiatry, 6(June), 6–11. http://doi.org/10.3389/fpsyt.2015.00082

40Hzバイノウラルビートで「注意のまばたき」(attentional blink)が解消した。



Colzato, L. S., Barone, H., Sellaro, R., & Hommel, B. (2015). More attentional focusing through binaural beats: evidence from the global–local task. Psychological Research. http://doi.org/10.1007/s00426-015-0727-0

40Hzバイノウラルビートで視覚注意をみるGlobal-Localタスクの成績が向上した。

商品案内

上記のエビデンスからインスピレーションを得て、以下に紹介する3種類のサウンドパッケージを作成しました。

ダウンロード商品です。

すでにこれらは自分の生活になくてはならないものなっています。ブログの更新作業や考えをまとめるとき、あと睡眠時に聴きっぱなしにしています。

また状況に応じて聴くファイルを切り替え使用しています。

#1:左脳バーストビート 、右脳バーストビート

推奨度 ★★★

半球間抑制バランスモデルへの間欠/連続シータバーストパルス刺激の考え方からヒントを得ました。(高強度間欠刺激を受けた脳半球は活性化し、低強度連続刺激を受けた脳半球は活動が抑えられる。この組み合わせで脳卒中により過活動もしくは低活動になった半球間にバランスをもたらす。)資料1,2,3,4,5参照。

バイノウラルビートの間欠高強度15ヘルツのバーストパルスに低強度6ヘルツの連続ビートを組み合わせて右脳のはたらきを整える効果を狙った「右脳バーストビート」、

同様にバイノウラルビートの間欠高強度6ヘルツのバーストパルスに低強度15ヘルツ連続ビートを組み合わせて左脳のはたらきを整える効果を期待した「左脳バーストビート」、

の2つのサウンドファイルです。

脳卒中で一方の脳半球にダメージを負った方にむいています。

たとえば左脳損傷で言語に障害が生じているばあい、以下のどちらかの「バーストビート」を聴きながら話したり読んだりして差が生じるものか試すとよいでしょう。

※パッケージの内容

UNOU_burst_beat.mp3, 「右脳バーストビート」20分間

SANOU_burst_beat.mp3, 「左脳バーストビート」20分間

#1_torisetsu.txt, 「取り扱い説明書」

価格:2万円(税込み)

#2:全脳ガンマビート、全脳シータビート

推奨度★★★★

エビデンスがもっとも豊富(資料8参照)。

左右脳半球をひとしく刺激する40ヘルツの「全脳ガンマビート」と4ヘルツの「全脳シータビート」の2つのサウンドファイルです。

脳の基底活動でもあるデフォルト・モード・ネットワークの周期(~数十秒)で刺激します。

ガンマ周波数の注意認知力の改善と、シータ周波数での神経保護効果と神経新生効果(a,b,c)、疼痛緩和効果を期待します。

※パッケージの内容

ZENNOU_gamma_beat.mp3, 「全脳ガンマビート」20分間

ZENNOU_theta_beat.mp3, 「全脳シータビート」20分間

#2_torisetsu.txt, 「取り扱い説明書」

価格:2万円(税込み)

#3:ガンマデルタビート、シューマンビート

推奨度★★

資料1では3ヘルツのときバイノウラルビートの位相反転が確認されています。「ガンマデルタビート」では、40ヘルツと3ヘルツの急な切り替えでジェットコースター様の刺激を与え眠った脳を覚醒させることを目的としています。資料1,6,8参照。個人的にはこれがいちばんのお気に入りです。

「シューマンビート」は地球電離層の固有振動数(Schumann共振)である7.83ヘルツのバイノウラルビートを生成します。電磁場をつかった動物実験ではこの周波数での早い時期の脳梗塞の治療効果が確認されています。キャリア周波数として癒やしサウンドで有名な「ソルフェジオ周波数」のいくつかを順に切り替えることで飽きのこないサウンドになっています。

※パッケージの内容

Gamma_delta_beat.mp3, 「ガンマデルタビート」20分間

Schumann_beat.mp3, 「シューマンビート」20分間

#3_torisetsu.txt, 「取り扱い説明書」

価格:2万円(税込み)

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※どうしたらよいかわからない場合、こちら(info@xendela.com)までメールください。

よくありそうな質問

Q. スマートフォンで聴く方法は?

いったんパソコンにダウンロードして解凍したmp3ファイルをスマートフォンにコピーする。

もしくはスマートフォンに直接ダウンロードしてファイルマネージャー系のアプリで開くとzipファイルが自動解凍されます。たとえばアンドロイドなら「file manager」、 アイフォンなら「Documents by Readdle」などのアプリを使用します。

Q.ダウンロードに自信がありません。

バイノウラルビートの無料サンプルファイルを用意しました。この←リンクから表示されるフォームにメールアドレスを入力するとサンプルファイルをダウンロードする方法を記したメールが自動返信されます。

パソコンへのダウンロードとファイルの解凍からスマートフォンへのコピー、または直接スマートフォンへダウンロード再生する「リハーサル」ができます。

Q. おすすめのイヤフォンを教えて下さい。

寝ながら聴いても外れず耳が痛くならない低価格のものを検索して、アマゾンでたまたま見つけた 「JVC ダイナミック密閉型カナルイヤホンJVC HA-FX14-T」 (1500円)をわたしはつかっています。

Q. 何分間 聴けばいいですか?

10~20分間聴くとバイノウラルビートの影響(脳がリズムに同調するエントレインメント効果)が現れることが確認されています。資料4,8参照。

また薬とはことなりたくさん聴けば聴くほど効くというものでもありません。

Q. 睡眠中に聴いてもよいですか?

わたしは睡眠時かならず聴いています。おもしろい夢が見れるので枕元に紙とペンを置いて夢日記もつけています。

Q.値段が高すぎます。

脳活ビート作成に必要な情報は上記に公開しました。参考文献も1件3~4千円で手に入ります。あなたに時間があまっているなら自身で似たようなものを作ることができるかもしれません。わたしは初めてバイノウラルビートを実験した日からここまで20年以上かかりました。あなたの時給生産性が1000円をうわまわるなら購入したほうがはるかに経済的と考えます。

Q. 害はありませんか?

バイノウラルビート反応じたいは音源位置を探るために発達してきた生理反応です。極端に大きな音量や長時間聴くなどしなければ問題はないと考えます。

自身が快適に感じる音量と時間で聴いてください。

Q. 効果が実感できません。

ここで紹介した効果はわたし個人の感想や実験室レベルでの報告がもとになっています。とうぜん効果を実感できない人もいるでしょう。

Q. ビートが聴こえません。

キャリア周波数は500ヘルツ辺りなので高齢者にもキャリアは聴こえるハズではあります。ただしビートの聴こえ方には個人差があります。とくに40ヘルツのバイノウラルビートはビートが速すぎて認識できなくても脳活動には反映されていることが確認されています。資料1。

Q. 片方の耳が難聴ですが効果はありますか?

バイノウラルビート反応は聴こえる音量に依らないことがわかっています。多少の難聴であるなら気にしなくてよいでしょう。脳活ビート#2では難聴対策を施しています。

Q. ただの振幅変調よりもバイノウラルビートが優れている根拠は?

資料7ではその優位性があきらかにされています。バイノウラルビートの周波数エントレインメント効果は振幅変調よりもずっと小さいものの、その認識されるメカニズムが繊細で、このあたりに理由があると考えます。

Q. 返品、返金はできますか?

商品の性質上、この脳活ビートは決済後の返品 返金には応じられません。

Q. デルタレゾナンスとなにが違いますか?

デルタレゾナンスはうつ対策で、脳活ビートは脳にダメージのあるひとの認知能力の調整を期待しています。

Q. どれをいつ聴いたらよいですか?

ニュースブログ更新のために論文を読んでまとめる時のわたしのいつものパターンは、

まず「右脳バーストビート」約10分間でやる気をウォーミングアップ。

次に「左脳バーストビート」に切り替え、論文選別とターゲットの俯瞰に努める、

そしてなにがわからないかがつかめたら「全脳ガンマビート」 で1つずつつぶす。

考えが行き詰まって身動きが取れなくなったら「全脳シータビート」または「ガンマデルタビート」や「シューマンビート」に切り替えて気分転換をはかります。

Q. バイノウラルビートに関心をもったきっかけは?

中学生のころ日本に入ってきたばかりのTM瞑想の研修をうけました。与えられたマントラ(短い音)をこころの中で繰り返していると深い瞑想状態に入れるとするもので、なるほどそのとおりな体験もありました。しかし意識的にその状況を毎度つくりだすのは面倒くさいものでなかなか続きませんでした。バイノウラルビートを初めて実験したとき「マントラと一緒やん、しかも勝手に聴こえてくるしこれは楽だ!」と感激したのがきっかけ。

Q.脳活ビートの臨床実績はありますか?

ありません。これは病気の治療を目的としたものではなく音楽鑑賞の一種とお考えください。

Q.薬機法に触れませんか?

脳活ビートは薬でも食品でも器具でもありません。医療パラメータを操作するソフトウェアやCD(コンパクトディスク)ですらないただの音楽デジタルデータです。

Q.健常者も使ってよいですか?

もちろんです。ただ 脳機能が弱っているひとのほうが効果を実感しやすいと考えます。

Q.利用者の感想はありますか?

公開していません。前作デルタレゾナンスのそれはこちら(←リンク)から見ることができます。

スマートフォンで管理する方法例

Google Play Musicの無料の個人クラウド に入れて使っています。

音響ファイルを無料個人クラウドにいれておくと、パソコンやスマートフォンから好きなファイルをかんたんに呼び出せます。

またクラウドからスマートフォンに一時保存もできるので通信できない場所でも聴くことができます。





(無料の個人クラウドにアップする この機能はYoutube music でも利用できます。